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            JAPAN ECONOMIC REPORT

               05.12.08

 

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日本経済最前線の視点から、理論ではなかなか学べない日本経済の現状や見通し

を分かりやすく説明する無料マガジンです。(読者数約30000名、通巻594号)

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ご無沙汰しております。まだまだ生きています。ここ最近の発行ペース(年に2

〜3回の発行)では、通巻600号への道のりは遠い・・。

 

我が家の双子ちゃんも、4歳半ば。先週、TDLに家族で出かけましたが、身長

のバー(103cm)もいつの間にかクリアしており、ビックサンダーマウンテ

ン等のコースター系も家族全員で楽しめるようになりました(こういう系統の「

怖さ」(not お化け屋敷系)は子供達もかなり好きなようです)。そして、子供

達は案の定、パレード(昼&夜)には釘付け。TDLにおけるこのキラーコンテ

ンツの威力はいつ行っても感心します。

 

街中はクリスマス色が強まってきましたね。皆さんにとっても良いクリスマスで

ありますように。                         【編】

 

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■資金の流れの変化

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何度か本誌にて言及したことがあったような気がしますが、日銀により毎月集計

・発表される「貸出・資金吸収動向」は、銀行の貸出状況を見るうえで、私が注

意深くフォローしている経済統計の一つです。

 

銀行は個人より主に「預金」という形で資金を調達して、これを原資にして企業

に対して資金を貸し出す。しかし、企業の投資活動が活発ではなかったり、投資

どころか負債の返済に躍起にならざるを得ないような状況においては、優良な大

口借り手がいつまでたっても現れません。資金繰りに窮している等、信用力の劣

る企業からの借入需要はあるかもしれませんが、そんな企業にお金を貸せるほど

本邦の銀行にリスクテイク余力はありません。そんなこんなで、貸出残高も90

年代後半より一貫して前年度比のマイナスが続いており、特に99年から04年

にかけては前年比マイナス4〜5%の減少というのが常態化しておりました。こ

の間、何度か小さな景気回復局面はありましたが、それにもかかわらず、貸出残

高が一貫して減少してきたのは、ある意味「異常な状態」でありました。

 

ところが、今年になって急速にこの状況に変化が現れてきています。05年の2

月から直近に発表された10月迄、この貸出残の前年比減少幅が一貫して縮まっ

ているのです。過去5年間殆ど動きがなかったことを考えると、これもまた急速

な変化と言うことが出来るでしょう。先月10月の銀行貸出残高(月中平均残高)

は、前年比マイナス0.7%迄縮小し、また、特殊要因調整後残高では前年比プ

ラス0.9%という数字を示しています(但し、後者の調整後数字の前年比は、

ややイレギュラーな式であり、「プラス」という数字にあまり過敏に反応すべき

ではありません)。

 

銀行のリスクテイク能力のアップを通じた信用創造の作用は、企業業績の改善と

相まって確実に景況感にプラスの影響を与え、現在の底堅い株式相場を支える要

因の一つとなっていると言えるでしょう。

 

・ ・ ・

 

日本株が好調であるにもかかわらず、為替は円安に振れています。日米金利差や

米国投資法がテーマの一つといえます。但し、(1)FRBは利上げを継続実施

するスタンスではありますが、最近一部のFOMCメンバーから利上げの行き過

ぎに対する警戒感が示唆されており、また、「金利差」というテーマがの為替水

準訂正トレンドが長続きしたというケースもあまりないこと、(2)米国投資法

の期限も程なく切れること等も考えると、これらテーマでの円安も年内一杯のよ

うな気はしています。特に米国投資法については、米国多国籍企業にとってみれ

ば、絶好の税制上の恩典措置であり、この機に本国宛配当を実施しようと考える

インセンティブは間違いなく高まっていると思います(特にこの11月〜12月

にかけて駆け込み的に行われているのではないかと)。

 

ところで、米国金利が高いということは、裏を返せばインフレ懸念を潜在的に抱

えているということ、即ち、ドルの信用低下が意識されているということ。こう

いう時には、エネルギー等の実物資産へとマネーが流れていきますので、これが

昨今の原油高の要因の一つとなっています。一方、原油もここ最近は調整局面。

原油高の行き過ぎ感から、今度はGOLDへと資金が流れています。よく言われ

る話ですね「マネーは世界を駆け巡る」と(お金に「色」はないのですが・・)。

                                 【編】

 

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■用語解説:米国本国投資法(Homeland Investment Act)

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2004年に成立。米国の多国籍企業の利益や配当金等の送金を米国本国に対し

て行う場合、通常は米国内で課税所得として取扱われ35%の税率が適用されま

すが、2005年度に限り、5.25%になるというもの(要すれば、海外受取

配当金の益金不算入のようなコンセプト)。この税制面での優遇措置により、米

国に資金を還流させ、米国内での投資を促進させようというのが狙いです。

                                 【編】

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