■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

            JAPAN ECONOMIC REPORT
               08.07.17(通巻600号)

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

縁あってロサンゼルスに移り住み、2年半が経ちました。そろそろ(日本へ戻る
迄の)折り返し地点でしょうか。相変わらず、JEREPの発行間隔は大きく開いて
いますが、なんと通巻600号になりました。気が付けば発行開始から10周年。
世の中も大きく変わりましたが、私自身の周辺環境も大きく変わりました。皆様
についてはどうでしょうかね。そして、私のこの先は10年はどうなることやら。
皆様にとっても素晴らしい10年でありますように!

さて、先日ユネスコ自然遺産の一つに指定されているイェローストーン国立公園
へと行ってきました。その後、その南に位置するグランドティートン国立公園へ
と向かいましたが、そこには広大な緑の草原が広がっています。この周辺ワイオ
ミング州の主要な産業は探鉱業なのですが、後述の通り、この緑の大地の下にも
石油のもととなる岩石が大量に眠っているようです。「エネルギー価格が高くな
れば、環境意識が高まり、いいじゃないか」というのは乱暴な意見だとも言われ
ますが、「何万年もの間その緑の大地に包まれ静かに生息してきた動物たちの生
命線を人類のエゴ、資源開発で脅かしていいのか」と問われれば、やはりそれは
避けたいものです。                        【編】

====================================
■資源価格変化の兆し
====================================

高騰を続ける燃料価格。最大の消費国である米国においても、国内の石油生産に
関する議論がなされている。ホワイトハウスの発表によれば米国の石油消費量は
一日2070万バレルであり、この内の約60%が輸入に頼っている状況である。
さらに輸入国は必ずしも友好国ばかりではない。地政学的リスクの高まりにより、
さらなる価格高騰をもたらすこともあるであろうし、資源を持つものと持たざる
ものとの格差により、非友好国へと巨万の富が移転されていく状況をとても見過
ごすわけにはいかないという心情的なところもあるかもしれない。

このような状況もあり、ブッシュ大統領も去る6月18日に、石油の国内生産拡
大を許可するよう議会への呼びかけを行なった。この国内生産拡大案は大きく4
つの措置に分かれ、先ず一つは現在禁止されている領海外大陸棚での石油の開発
と採掘の解禁。次に、オイルシェール(有機化合物を多く含む岩石で熱分解する
ことで石油分を抽出できる)の開発。これが多く埋蔵されているのが、コロラド、
ユタ、ワイオミング州にまたがるグリーン・リバー層である。ここからなんと現
在の石油輸入量160年分の石油が採掘可能と言われている。が、採掘にかかるコ
スト高と環境汚染の問題から、現在その開発に予算を充てることは禁止された状
態となっている。三つ目は、アラスカの北極圏野生生物保護区域の油田採掘の許
可。最後に、製油所の増設計画である。

もっとも今から開発を始めたからといって、それが果実となるのは、何年も先の
話であり、基本的には開発には大きなリスクが伴い、100%成功するという保
証は全く無い。従い、これらのことが、現状のガス価格高騰を抑制することには
ならないという意見も勿論ある。

再生可能エネルギーを推進していく議論も同時並行的になされてはいるが、スケ
ールが大きいとは言えない。ブッシュ大統領が推進してきたバイオ燃料も、最近
は決して環境に良いとは言えなくなっている。表面的には二酸化炭素を吸収する
植物を燃料に使用するのであるから、ゼロエミッション(CO2排出無し)と見做
されてはいるが、現実にはこれらを生産するにあたっては化学肥料・工場での精
製等も含め多大なエネルギーが消費されているのである。

もう少しマクロ的に資源高を見た場合に、今の価格高騰はバブルという向きもあ
れば、過去数十年間の価格が低すぎたにすぎず、その間のインフレ率を考慮すれ
ば、今の水準は適正であり、過小評価されたいたものが水準訂正したに過ぎない
という向きもある。投機マネーの流入が主犯と言うものもいれば、やはり需給要
因だというものもいる。何れにしても百家争鳴の状態である。

ただ間違いないであろうことは、(1)ここ数ヶ月間の上昇スピードは明らかに
急ピッチであり、そのスピード調整の動きは必ずや起こること、(2)「価格が
高くなれば需要が減少する」という当たり前の経済原理が必ず作用するというこ
と。で、そのタイミングを言い当てることができれば、億万長者になれるだろう
が、残念ながら筆者もこればかりはなんとも言えない(もう間もなくとは考えて
いるが)。意外に重要なことが日常生活の変化に隠されていることも多い。単純
な例でいえば、ここロサンゼルスにおいて当然のごとく車通勤していたアメリカ
人が電車通勤へと突如切り替えたとか、普段マーケットに疎遠な一般人が「商品
相場で○千万円稼ぐ!」というような本を出版し、書店でも目に付くようになっ
たとか。身近な小さな動きをつぶさに観察してみよう。身の回りの小さなことに
マクロレベルの変化の兆しを感じることができることも多いものである。【編】

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
★当レポートは、皆様のご意見・ご感想・ご質問・ご投稿により成り立っており
 ます。どんどんメールして下さい。→<mailto:jerep@jerep.com>
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
★読者の皆さんから寄せられたメールは、事前の告知なくJEREPに掲載させてい
 ただく場合がございます。匿名などのご希望があれば、明記してください。ま
 た、掲載を望まれない場合も、その旨、明記願います。メールに記載された範
 囲でのプライバシーの公開から生じる、いかなる事態、また何人に対しても一
 切責任を負いませんのでご了承ください
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
★当レポートは、情報の提供のみを目的としており、投資の判断等は御自身の責
 任においてお願い致します。
====================================
■編集・発行:「JAPAN ECONOMIC REPORT」編集部
●ご意見・ご感想・ご質問・ご投稿 →<mailto:jerep@jerep.com>
●ホームページ          →<http://www.jerep.com>
●解除は各自御登録された配信サイトにてお願いします。
 当サイトへのリンクは自由です。又、引用・転用について御希望の方は、当編
 集部までお問い合せ下さい。Copyright(C), 1998-2008
====================================